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こんにちは、イラン
IraNippon特集 · 暦
バラの春、ザクロの秋。<br><em>季節でめぐるイランの一年</em>

THE IRANIAN YEAR · 季節と実り

バラの春、ザクロの秋。
季節でめぐるイランの一年

イランの暦は春分の日に始まり、12の月にはそれぞれ古い意味をもつ名前があります。花とバラ水の春、果物とナツメヤシの夏、サフランとザクロの秋、ヤルダーの冬。季節ごとの風景と実りを、日本の季節と重ねながら紹介します。

4季節。春分・夏至・秋分・冬至で区切る
12か月。前半6か月は31日
90%+世界のサフランのうちイラン産
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A YEAR THAT BEGINS IN SPRING

元日は、春分の日。

イランで使われている暦(イラン暦・ヒジュラ太陽暦)は、太陽の動きにもとづく暦です。一年は春分の日、ノウルーズに始まり、夏至・秋分・冬至で四つの季節に分かれます。季節の変わり目が月の変わり目と重なるので、暦を見るだけで季節がわかります。

最初の6か月は31日、次の5か月は30日、最後のエスファンド月は29日(閏年は30日)。月の名前の多くは、古代イランのゾロアスター教で語られた神格や理念に由来し、千年以上前から受け継がれてきました。

日付の換算や祝祭日は、イランの暦ページでも確かめられます。

アビヤーネ村の春
アビヤーネ村の春

TWELVE MONTHS, TWELVE NAMES

月の名前と、その月の見どころ

日付は今年のイラン暦にあわせて自動で表示しています。「今月」の印は、いまイランが何月かを示します。

今日のイラン暦—
BAHĀR · بهار

春

新年は春分の日に始まる。花とバラの季節。

01فروردین

ファルヴァルディーン

3/21–4/20

義人の霊「フラワシ」に由来。

ノウルーズ(新年)と13日目のシーズダ・ベダル。各地で花木が咲く。

今月
02اردیبهشت

オルディーベヘシュト

4/21–5/21

「最善の真理・秩序(アシャ・ワヒシュタ)」に由来。

月の後半、カーシャーン周辺でバラ摘みとバラ水づくりが始まる。

今月
03خرداد

ホルダード

5/22–6/21

「完全・健やかさ(ハルワタート)」に由来。水と結びつく。

バラ水づくりの最盛期から終盤へ。桑の実やさくらんぼが店先に。

今月
TĀBESTĀN · تابستان

夏

果物の季節。南ではナツメヤシが実る。

04تیر

ティール

6/22–7/22

雨をもたらす星シリウスの神「ティシュトリヤ」に由来。

夏至とともに夏。サワーチェリーやアンズ、夏の果物が並ぶ。

今月
05مرداد

モルダード

7/23–8/22

「不死(アムルタート)」に由来。

メロン、スイカ、ブドウの盛り。南部ではナツメヤシの収穫が始まる。

今月
06شهریور

シャフリーヴァル

8/23–9/22

「望ましい統治(フシャスラ・ワルヤ)」に由来。

ブーシェフルなど南部でナツメヤシの収穫が続く、夏の終わり。

今月
PĀYIZ · پاییز

秋

サフランとザクロ、実りの秋。

07مهر

メフル

9/23–10/22

契約と友愛の神「ミスラ」に由来。「メフル」は愛情や太陽も意味する。

秋分とともに秋。カーシャーン近郊で絨毯を洗う儀礼「ガーリーシューヤーン」。

今月
08آبان

アーバーン

10/23–11/21

「水(アーバーン)」の神格に由来。

ホラーサーンのサフラン摘み、ザクロの収穫と祭り。北部の森は紅葉。

今月
09آذر

アーザル

11/22–12/21

「火(アータル)」に由来。

月の最後の夜が一年で最も長い夜「ヤルダー」。ザクロとスイカで夜を明かす。

今月
ZEMESTĀN · زمستان

冬

ヤルダーの夜から、春を待つ準備へ。

10دی

デイ

12/22–1/20

「創造主(ダダウ)」に由来。

冬の始まり。北部では柑橘の収穫、アルボルズの山々は雪に。

今月
11بهمن

バフマン

1/21–2/19

「善き思い(ウォフ・マナフ)」に由来。

雪の季節。テヘラン北部のスキー場がにぎわう。

今月
12اسفند

エスファンド

2/20–3/20

大地を守る「聖なる献身(スプンタ・アールマティ)」に由来。

アーモンドやアンズの花。大掃除、芽出し(サブゼ)、チャハールシャンベ・スーリー。

今月

SPRING · FARVARDIN – KHORDAD

花の新年と、バラ水の香り。

ノウルーズとシーズダ・ベダル
01

ノウルーズとシーズダ・ベダル

ファルヴァルディーン月1日・13日(3月下旬〜4月初め)

春分の日に新年ノウルーズを迎え、家々では「S」で始まる七つの品を並べたハフトスィーンを飾ります。新年の休みの最後、13日目は「シーズダ・ベダル(自然の日)」。人々は弁当を持って公園や野山に出かけ、一日を外で過ごします。

木の下に敷物を広げて春を楽しむ姿は、日本の花見とよく似ています。詳しくはノウルーズのページへ。

カーシャーンのバラ水づくり「ゴラーブギーリー」
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カーシャーンのバラ水づくり「ゴラーブギーリー」

オルディーベヘシュト月後半〜ホルダード月(5月中旬〜6月中旬)

カーシャーン近郊のガムサルやニヤーサルの谷では、5月中旬から6月中旬にかけてダマスクローズが咲きます。花は香りの強い早朝に手で摘まれ、すぐに大きな釜で蒸留されてバラ水(ゴラーブ)になります。

この季節には各地から見物客が訪れ、村は花と蒸気の香りに包まれます。バラ水はお菓子や飲み物、宗教儀礼にも欠かせません。

SUMMER · TIR – SHAHRIVAR

果物の夏、ナツメヤシの南。

乾いた夏の高原では、昼夜の寒暖差が甘い果物を育てます。

さくらんぼからメロンまで
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さくらんぼからメロンまで

ホルダード月〜シャフリーヴァル月(6月〜9月)

初夏の桑の実とさくらんぼ、サワーチェリー(アルバールー)とアンズ、真夏のメロン、スイカ、ブドウ、イチジク。市場の果物の並びが、そのまま季節のカレンダーです。サワーチェリーはご飯に混ぜて「アルバールー・ポロウ」にもなります。

季節の料理はペルシア料理のページで紹介しています。日本の「旬」と同じく、イランでも季節の果物を味わうことが暮らしの楽しみです。

南部のナツメヤシの収穫
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南部のナツメヤシの収穫

モルダード月〜メフル月(8月〜10月)

ペルシア湾岸のブーシェフル州やフーゼスターン州、ケルマーン州のバムなど、暑い南部ではナツメヤシが育ちます。収穫は8月ごろから始まり、品種によって10月まで続きます。バムの黒く柔らかい「マザーファティー」は、とくに人気のある品種です。

AUTUMN · MEHR – AZAR

紫の花から、赤い金。

ホラーサーンのサフラン摘み
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ホラーサーンのサフラン摘み

アーバーン月(10月下旬〜11月中旬)

サフランはクロッカスの一種の花のめしべです。トルバテ・ヘイダリーエやガーエンなどホラーサーン地方の畑では、10月下旬から11月中旬にかけて紫の花が一斉に咲き、人々は花がしおれる前の早朝に一輪ずつ手で摘みます。

一つの花から取れる赤いめしべはわずか3本。世界のサフランの9割以上がイランで生産されています。サフランの香るお茶とおもてなしはこちらのページで。

ザクロの季節と祭り
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ザクロの季節と祭り

メフル月〜アーザル月(10月〜12月)

ザクロはイランを含む地域が原産地の一つとされ、詩や細密画、絨毯の文様にも登場します。秋になると各地で収穫が始まり、とくに中部のサーヴェはザクロの名産地。アーバーン月には収穫を祝う「ザクロ祭り」が開かれ、テヘランでも市の主催で祭りが行われます。

ザクロは冬のヤルダーの夜にも欠かせない果物です。

北の森の紅葉と、絨毯を洗う儀礼
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北の森の紅葉と、絨毯を洗う儀礼

メフル月〜アーザル月

カスピ海沿岸からアルボルズ山脈の北斜面に広がるヒルカニアの森(ユネスコ世界自然遺産)は、秋に赤や黄色に染まります。日本の紅葉狩りのように、週末には多くの人が森へ出かけます。

メフル月には、カーシャーン近郊のマシュハデ・アルデハールで、バラ水をふりかけた絨毯を清める「ガーリーシューヤーン」の儀礼が行われます(ユネスコ無形文化遺産、2012年)。春のバラ水と秋の儀礼が、ここでつながります。

WINTER · DEY – ESFAND

一年でいちばん長い夜から、春を待つ。

ヤルダーの夜
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ヤルダーの夜

アーザル月30日の夜(12月20日か21日)

冬至の前夜、一年で最も長い夜に、家族が集まってザクロやスイカを食べ、ハーフェズの詩集で占いをしながら夜更けまで過ごします。光が戻ってくる日を迎える、古くからの祝いです。

日本の冬至のゆず湯やかぼちゃのように、季節の節目を食べ物で祝う点がよく似ています。果物とヤルダーのページもどうぞ。

雪の山と、春のしたく
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雪の山と、春のしたく

デイ月〜エスファンド月(12月下旬〜3月中旬)

テヘランの北にそびえるアルボルズ山脈は冬に雪をかぶり、スキー場がにぎわいます。北部のカスピ海沿岸では、この季節にオレンジなど柑橘の収穫が行われます。

最後の月エスファンドになると、アーモンドやアンズの花が咲きはじめ、家々は大掃除(ハーネ・テカーニー)をして、皿に麦や豆の芽(サブゼ)を育てます。年の最後の水曜日の前夜には、たき火を跳び越える「チャハールシャンベ・スーリー」。そして、また春分がやってきます。

JAPAN × IRAN

日本の季節と、イランの季節

どちらの国でも、季節の節目は人が集まり、食べ、自然に出かける日です。

日本花見

桜の下で春を祝う。

イランシーズダ・ベダル

新年13日目、家族で野外に出かける「自然の日」。

日本正月

冬に新年を迎え、大掃除をして、年神を迎える。

イランノウルーズ

春分に新年。年末に大掃除、芽出しのサブゼを飾る。

日本紅葉狩り

秋の山で色づく葉を楽しむ。

イランヒルカニアの森の秋

カスピ海沿いの古い森が赤と金に。

日本冬至

ゆず湯とかぼちゃで、いちばん短い昼を越える。

イランヤルダー

ザクロとスイカと詩で、いちばん長い夜を越える。

WHEN TO SEE IT

次の季節の行事

ヤルダーの夜

—

アーザル月30日の夜。冬至の前夜。

チャハールシャンベ・スーリー

—

年の最後の水曜日の前夜(火曜の夜)。

ノウルーズ(元日)

—

ファルヴァルディーン月1日。春分の日。

シーズダ・ベダル(自然の日)

—

ファルヴァルディーン月13日。

バラ水の季節

—

5月中旬〜6月中旬が目安。花の具合で前後します。

ガーリーシューヤーン

—

メフル月17日に最も近い金曜日(目安)。

サフラン摘み

—

アーバーン月のはじめから約3週間が目安。

日付はイラン暦をもとに自動計算しています(テヘラン時間)。収穫や祭りの時期は天候や年によって変わります。

QUESTIONS

よくある質問

イランの暦は、イスラームの暦と同じですか?
違います。日常生活で使われるイラン暦は太陽暦で、季節とずれません。宗教行事には月の満ち欠けによるヒジュラ太陰暦も使われるため、ラマダーンなどの時期は毎年およそ11日ずつ早まります。
バラ水づくりは見学できますか?
5月中旬から6月中旬ごろ、カーシャーン近郊のガムサルやニヤーサルでは、見物客が訪れて花摘みや蒸留の様子を見ることができます。時期は年や天候で変わるので、現地の情報を確かめてください。
サフランはなぜ高価なのですか?
一つの花から取れるめしべは3本だけで、すべて手で摘み、手で分けるからです。花が咲くのは秋の短い期間に限られます。
イランにも桜はありますか?
さくらんぼの木やアーモンド、アンズなど、春に花を咲かせる果樹が各地にあり、テヘランなどの町でも春に花を楽しめます。日本の観賞用の桜並木とは趣が少し異なります。