01ノウルーズとシーズダ・ベダルファルヴァルディーン月1日・13日(3月下旬〜4月初め)春分の日に新年ノウルーズを迎え、家々では「S」で始まる七つの品を並べたハフトスィーンを飾ります。新年の休みの最後、13日目は「シーズダ・ベダル(自然の日)」。人々は弁当を持って公園や野山に出かけ、一日を外で過ごします。木の下に敷物を広げて春を楽しむ姿は、日本の花見とよく似ています。詳しくはノウルーズのページへ。
02カーシャーンのバラ水づくり「ゴラーブギーリー」オルディーベヘシュト月後半〜ホルダード月(5月中旬〜6月中旬)カーシャーン近郊のガムサルやニヤーサルの谷では、5月中旬から6月中旬にかけてダマスクローズが咲きます。花は香りの強い早朝に手で摘まれ、すぐに大きな釜で蒸留されてバラ水(ゴラーブ)になります。この季節には各地から見物客が訪れ、村は花と蒸気の香りに包まれます。バラ水はお菓子や飲み物、宗教儀礼にも欠かせません。
03さくらんぼからメロンまでホルダード月〜シャフリーヴァル月(6月〜9月)初夏の桑の実とさくらんぼ、サワーチェリー(アルバールー)とアンズ、真夏のメロン、スイカ、ブドウ、イチジク。市場の果物の並びが、そのまま季節のカレンダーです。サワーチェリーはご飯に混ぜて「アルバールー・ポロウ」にもなります。季節の料理はペルシア料理のページで紹介しています。日本の「旬」と同じく、イランでも季節の果物を味わうことが暮らしの楽しみです。
04南部のナツメヤシの収穫モルダード月〜メフル月(8月〜10月)ペルシア湾岸のブーシェフル州やフーゼスターン州、ケルマーン州のバムなど、暑い南部ではナツメヤシが育ちます。収穫は8月ごろから始まり、品種によって10月まで続きます。バムの黒く柔らかい「マザーファティー」は、とくに人気のある品種です。
05ホラーサーンのサフラン摘みアーバーン月(10月下旬〜11月中旬)サフランはクロッカスの一種の花のめしべです。トルバテ・ヘイダリーエやガーエンなどホラーサーン地方の畑では、10月下旬から11月中旬にかけて紫の花が一斉に咲き、人々は花がしおれる前の早朝に一輪ずつ手で摘みます。一つの花から取れる赤いめしべはわずか3本。世界のサフランの9割以上がイランで生産されています。サフランの香るお茶とおもてなしはこちらのページで。
06ザクロの季節と祭りメフル月〜アーザル月(10月〜12月)ザクロはイランを含む地域が原産地の一つとされ、詩や細密画、絨毯の文様にも登場します。秋になると各地で収穫が始まり、とくに中部のサーヴェはザクロの名産地。アーバーン月には収穫を祝う「ザクロ祭り」が開かれ、テヘランでも市の主催で祭りが行われます。ザクロは冬のヤルダーの夜にも欠かせない果物です。
07北の森の紅葉と、絨毯を洗う儀礼メフル月〜アーザル月カスピ海沿岸からアルボルズ山脈の北斜面に広がるヒルカニアの森(ユネスコ世界自然遺産)は、秋に赤や黄色に染まります。日本の紅葉狩りのように、週末には多くの人が森へ出かけます。メフル月には、カーシャーン近郊のマシュハデ・アルデハールで、バラ水をふりかけた絨毯を清める「ガーリーシューヤーン」の儀礼が行われます(ユネスコ無形文化遺産、2012年)。春のバラ水と秋の儀礼が、ここでつながります。
08ヤルダーの夜アーザル月30日の夜(12月20日か21日)冬至の前夜、一年で最も長い夜に、家族が集まってザクロやスイカを食べ、ハーフェズの詩集で占いをしながら夜更けまで過ごします。光が戻ってくる日を迎える、古くからの祝いです。日本の冬至のゆず湯やかぼちゃのように、季節の節目を食べ物で祝う点がよく似ています。果物とヤルダーのページもどうぞ。
09雪の山と、春のしたくデイ月〜エスファンド月(12月下旬〜3月中旬)テヘランの北にそびえるアルボルズ山脈は冬に雪をかぶり、スキー場がにぎわいます。北部のカスピ海沿岸では、この季節にオレンジなど柑橘の収穫が行われます。最後の月エスファンドになると、アーモンドやアンズの花が咲きはじめ、家々は大掃除(ハーネ・テカーニー)をして、皿に麦や豆の芽(サブゼ)を育てます。年の最後の水曜日の前夜には、たき火を跳び越える「チャハールシャンベ・スーリー」。そして、また春分がやってきます。