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こんにちは、イラン
IraNippon特集 · 祝祭
希望を<br><em>待つ夜</em>

15 SHA’BAN · シャアバーン月15日

希望を
待つ夜
يا صاحب الزمان

シャアバーン月15日は、シーア派十二イマーム派が第12代イマーム、マフディーの誕生を祝う日です。イランの街は光で飾られ、人々は「待つこと」の意味を思い起こします。

869サーマッラーで誕生(ヒジュラ暦255年)
874小ガイバ(お隠れ)の始まり
941大ガイバの始まり
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INTRODUCTION

マフディーとはだれか

マフディー(「正しく導かれた者」の意)は、シーア派十二イマーム派が信じる第12代、最後のイマームです。父は第11代イマーム、ハサン・アスカリー。イランでは親しみをこめて「イマーメ・ザマーン(時代のイマーム)」とも呼ばれます。

シーア派の信仰では、マフディーは神の意思によって人々の目から隠れて(ガイバ)生き続けており、いつの日か姿を現して、不正に満ちた世界に正義と平和をもたらすとされます。マフディーの到来を待つ考えはスンナ派にもありますが、それがだれで、いつ生まれるのかについては見解が異なります。

TIMELINE

誕生からガイバまで

シーア派の伝承にもとづく年表です。年代は史料によって異なることがあります。

869ヒジュラ暦255年

サーマッラーで誕生

シャアバーン月15日、現在のイラク中部の町で。

父は第11代イマーム、ハサン・アスカリー、母はナルジスと伝えられます。アッバース朝の監視が厳しかったため、誕生はごく近しい人々にだけ知らされたとされます。

874ヒジュラ暦260年

イマーム位と小ガイバ

父の死去により、幼くしてイマームに。

シーア派の伝承では、このときから人々の前から姿を隠し、信頼された代理人を通じてのみ信徒と連絡をとったとされます。

874–941

4人の代理人

約70年間、4人の代理人(ナーイブ)が信徒の質問や手紙を取り次ぐ。

ウスマーン・イブン・サイード、ムハンマド・イブン・ウスマーン、フサイン・イブン・ルーフ・ナウバフティー、アリー・イブン・ムハンマド・サマリーの4人で、多くはバグダードで活動しました。

941ヒジュラ暦329年

大ガイバの始まり

4人目の代理人の死とともに、直接の取り次ぎが終わる。

以後、信徒は特定の代理人ではなく、信頼できる学者(ウラマー)の指導を頼りにするようになりました。シーア派の信仰では、大ガイバは今も続いています。

いま

待つ時代

再臨を待ちつつ、日々を正しく生きる。

多くのシーア派信徒は、イマームが見えないところで今も人々を見守っていると信じ、その時代にふさわしい生き方を自らに問いかけています。

INTIZAR

「待つ」とは、何をすることか

シーア派の思想では、待つことは受け身の時間ではなく、希望と責任の時間だと語られます。

وَنُرِيدُ أَن نَّمُنَّ عَلَى الَّذِينَ اسْتُضْعِفُوا فِي الْأَرْضِ وَنَجْعَلَهُمْ أَئِمَّةً وَنَجْعَلَهُمُ الْوَارِثِينَ
(意味)地上で虐げられた人々に恵みを与え、彼らを導き手とし、受け継ぐ者にしようと神は望まれた。
クルアーン 物語章(28章)5節 — 章句の意味の要約。シーア派ではマフディーの時代への希望と結びつけて読まれます。
01

希望

どれほど世界が不正に満ちても、最後には正義が実現するという確信。絶望しないことそのものが信仰のかたちとされます。

02

自らを正す

待つ人は、迎える準備のできた人であるべきだという考え。日々の誠実さ、学び、祈りが大切にされます。

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正義のために

弱い立場の人を助け、不正に声をあげること。イランの暦でこの日が「世界被抑圧者の日」とされているのも、この考えによります。

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共同体

祝いの夜に飲み物や菓子を無料でふるまう習慣は、喜びを分かち合い、人と人をつなぐ「待つ文化」の表れでもあります。

CELEBRATION

光に包まれるイランの夜

シャアバーン月15日はイランの祝日です。前夜から街は電飾と緑の旗で飾られます。

チェラーガーニー(電飾)
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チェラーガーニー(電飾)

街じゅうが祝いの色に

モスクや通り、商店や家の門口まで、色とりどりの電球と緑・黄色の布で飾られます。「チェラーガーニー」と呼ばれるこの飾りつけは、誕生を喜ぶ気持ちを目に見えるかたちにしたものです。

サラヴァート・ステーション
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サラヴァート・ステーション

無料でふるまわれる飲み物と菓子

通りの角にテーブルが出され、シャルバト(甘い飲み物)や菓子、時には温かい料理が通行人にふるまわれます。代金のかわりに求められるのは、預言者とその家族への祝福の言葉(サラヴァート)だけ。近所の人々や若者のグループが自分たちで用意します。

ジャムキャラーン・モスク
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ジャムキャラーン・モスク

コム郊外、待望の聖地

コムの東約6キロにあるジャムキャラーン・モスクは、伝承によればヒジュラ暦373年、マフディーの指示を受けた人物によって建てられたとされます。祝いの夜には全国から多くの人が集まり、夜通し祈りと祝福が続きます。

火曜日の夜に参詣する習慣もよく知られています。モスクの裏手には、願いごとを書いた紙を託す「願いの井戸」があります。

祈りの夜
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祈りの夜

家でも、モスクでも

シャアバーン月15日の夜は、シーア派の伝承でとくに恵み深い夜のひとつとされ、多くの人が夜遅くまで祈りやクルアーンの朗誦をして過ごします。伝統的に「クマイルの祈り(ドアーイェ・コメイル)」が唱えられる夜でもあります。

テヘランを南北に貫く最長の大通り「ヴァリーアスル通り」の名も、マフディーの称号「ヴァリーエ・アスル(時代の主)」に由来します。

THE MONTH OF SHA’BAN

祝いが続くシャアバーン月

ヒジュラ暦第8月のシャアバーン月には、預言者の家族に連なる人々の誕生日が続きます。次の日付は自動で計算されます。

3日 イマーム・ホセインの誕生

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· イランの「パースダール(護衛者)の日」

4日 アッバースの誕生

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· イランの「傷痍軍人の日」

5日 イマーム・サッジャードの誕生

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11日 アリー・アクバルの誕生

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· イランの「青年の日」

15日 イマーム・マフディーの誕生

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· 祝日・「世界被抑圧者の日」

ウンム・アル=クラー暦による計算で、月の観測によりイランでは1日前後することがあります。シャアバーン月の次は断食月ラマダーンです。

FAQ

よくある質問

スンナ派もマフディーを信じていますか?
はい、多くのスンナ派の伝承にもマフディーの到来が語られています。ただしスンナ派の多くは、マフディーはまだ生まれておらず、将来生まれると考えます。すでに生まれてガイバの状態にあるという考えは、十二イマーム派の特徴です。
イエス(イーサー)とも関係がありますか?
イスラームの伝承では、イエス(イーサー)も終末の前に再臨すると信じられています。シーア派の伝承では、イエスはマフディーとともに現れ、ともに正義のために働くと語られます。
イランではどんなあいさつをしますか?
「イーデターン・モバーラク(お祝いおめでとうございます)」や「ミーラーデ・イマーメ・ザマーン・モバーラク(イマーメ・ザマーンの誕生日おめでとう)」が一般的です。
ムスリムでなくてもジャムキャラーン・モスクを訪れられますか?
敷地を訪れることは一般に可能ですが、区域や時期によって規則が異なります。控えめな服装(女性はチャードルの着用が求められる場合があります)を心がけ、撮影や礼拝の場では現地の案内に従ってください。祝いの夜は非常に混雑します。
シャアバーン月15日の夜はスンナ派の国でも特別ですか?
はい。南アジアなどでは「シャベ・バラート」と呼ばれ、多くのスンナ派の人々も祈りと赦しを願う夜として過ごします。意味づけは地域や宗派によって異なります。