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ملیلهکاری
銀をのばして髪の毛ほどの細い線にし、二本をより合わせて渦や葉の形に曲げ、一つずつろう付けしてレースのような面を組み上げる。北西部の町ザンジャーンを代表する工芸です。
細い金属線で模様をつくる「フィリグリー(線細工)」のイランの呼び名です。とくに銀で、ザンジャーンの町でさかんにつくられています。
おもに純度の高い銀を使います。やわらかく、細い線にしても切れにくいからです。金でつくることもあります。
細い線を二本より合わせてから平たくつぶすと、縁に細かな刻みのある、光を受けてきらめく線になります。
太めの線で外枠をつくり、その中を細い線の渦や葉で埋めます。すき間が光を通し、レースのように見えます。
テヘランの北西、約330kmの町。工房と店がバーザールに集まります。
右のボテ(ペイズリー)形に、銀の線が組み上がっていきます。
銀を溶かして棒にし、穴の大きさが少しずつ小さくなる板(線引き板)に何度も通して細くしていきます。
細い線を二本より合わせ、軽くつぶして平たくします。
太めの線を下絵に合わせて曲げ、外枠と仕切りの形をつくります。
ピンセットで細い線を渦や葉の形に巻き、枠の中にすき間なく詰めていきます。
銀ろうの粉をふりかけて熱し、すべての接点をとめます。数百の点を、一度に、または少しずつ溶かしていきます。
酸で洗って表面を白くし、磨いて輝きを出します。部品を組み合わせて器や装身具にします。
スクロールで工程が進みます
銀は溶かして作り直されることが多く、古い作品はあまり残っていません。わかっている流れを見てみましょう。
イラン高原では古くから、金や銀の細い線や粒で飾った装身具や器がつくられてきました。
ザンジャーンでの銀線細工は、遅くとも16世紀には記録されているとされます。
盆、水たばこの部品、茶グラスのホルダー、装身具などの銀線細工が、博物館や個人のコレクションに残っています。
世界工芸評議会(WCC)は、ザンジャーンを銀線細工(マリーレ)の「世界工芸都市」に選びました。町には数多くの工房があり、師から弟子へ技が受け継がれています。
葉、つぼみ、ボテ(ペイズリー)、渦巻き。ペルシアの装飾の形が、銀の線で描かれます。
軽くて光を通す銀線細工は、装身具にぴったり。花やボテの形が好まれます。
お茶の時間を飾る小さな器も、銀線細工の代表的な品です。
大きな作品では、枠の中に何百もの渦を詰めた細やかな面が見どころです。
ザンジャーンは、テヘランとタブリーズを結ぶ街道沿いの町。屋根付きの長いバーザールには、銀線細工のほか、刃物(ナイフ)や手織物の店も並びます。
町の南東には、14世紀初めに建てられたイルハン朝の霊廟が残るソルターニーエがあり、2005年にユネスコ世界遺産に登録されました。
日本にも銀線細工の伝統があります。秋田市でつくられる「秋田銀線細工」は、秋田県の伝統的工芸品に指定されています。
どちらも細く線状にした銀を、より、曲げ、ろう付けして模様をつくります。
秋田では草花をかたどった繊細な文様がよく見られます。ザンジャーンでは、ボテや葉、渦巻きといったペルシアの装飾が中心です。
線が細く、太さがそろっているか。
渦がすき間なく詰まり、形がそろっているか。
ろうがはみ出しておらず、接点がしっかりしているか。
刻印や証明書で、銀の純度を確かめましょう。
ことばを押すと説明が開きます。
銀線細工(フィリグリー)。
銀。
金属の細い線。
線引き板。穴に通して線を細くする。
ろう付け、またはそのろう。
ペイズリーの形。
同じ金属工芸の仲間と、ほかのテーマをランダムにひとつ。